こんにちは、さくらです。
今回でこのシリーズは終わります(;^_^A
良くネットや本で、具合の悪い奥さんに
「ご飯はまだ？」という旦那様の話など目にしますが
こういう場違いな言動って
どこまでが笑い話、ネタ、で
どこからが「ちょっと問題あり」なのでしょうね。
受け取る方の気持ちの持ちようにもよるのでしょうけれど…
～～～～～～～～～～～～～
パンの袋を持ち、私のベッドの足元に立つパパ。
そこへ、この大きな病院の近くで仕事をしていた姉が
母から電話が行ったようで仕事を早退して駆けつけてくれました。
急いできた、というような様子の姉は、
とりあえず私の顔を見て命にかかわるような病気ではないとわかり
ホッとした様子でした。
「わざわざ早退しなくていいのに…」という私も
ほっとしたのを覚えています。
検査も終わり、あとは病棟の用意ができたら上に上がっていく、ということになり
長男が心配だった私は姉に帰宅してもらい、
実家にお願いしている長男を託すことにしました。
看護師さんがパパに話します。
「急な入院で持ち物もないでしょうけれど、
売店は開いているので一通りそろえられると思います。
夕食の時間が終わっているので食事は出せないので
売店で何か食べられそうなものを買ってあげてください」
私は買い物をパパにお願いし、
ベッドのママ産婦人科病棟へと運ばれていったのでした。
急な入院、臨月間近の妊婦の肺炎、
ということもあり、ナースステーション前の個室でした。
初めての入院でしたが、ナースステーションの声がすることで
安心感を持つことができました。
しかも、シャワー室、トイレ完備の素晴らしい個室だったのです！
うとうとしていると、パパが入ってきました。
手には大きな袋。
そして、ベッドの横の棚に荷物を出し始めたのです。
「これはコップ歯ブラシの時にね
こっちは、ご飯の時の湯飲み。
これはタオルセット、
これは部屋を移動するときのスリッパ
・・・・・・・・・・・・・・・」
と、あっという間に棚はいっぱいになりました。
気が利く、というのか、
そういう時の使命感にあふれるパパは凄いんです。
でも、上手く表現できませんが、
心配して寄り添って、必要なものをササっと買ってきたよ、だいじょう？？
というよりは
ちょっと言葉は悪いですが
「こんなことも出来る俺」に酔っているというのか…
一直線…というのか。
そして最後に
かなりのドヤ顔であの袋を出しました。
「さくら、パン好きじゃん、
これ〇〇病院のカフェで買ったんだ！
ここで役立つなんて（キラキラ笑顔！！）」
もう、こんな時のパパは、
俺がやった行動が役立ってる！！
喜ばれてる（具合も悪く反応はできませんでしたけれどね）
と、やったぜ！！みたいな状態になります。
多弁になり、
「ほら、前に雑誌で見たじゃん、
なかなか行く機会無かったけどね、
まさか、こんな風に食べるなんてね、
でも買って良かったよ、
夕食でないし、さくら、お昼も食べてないなら、
このパン役立つなー」
なんだか、奥さんが倒れて運ばれて心配してる旦那様、というより、
入院セットを勧めにきたヘルパーさんのようなパパ。
一通り入院セットの説明をし、
自分のパンが役立ったことを話すと、
達成感に満ち溢れてササっと病室を後にしたのでした。
ウーン、なんでしょう。
入院セットに、足りないものがあっていいんです。
何が必要？？と確認してからしか買えないタイプでも良いんです。
ただ、帰り際に
「俺、さくらが運ばれたって聞いて心配したよ」
とか
「長男と離れるって不安だろうけど
まずは体を治すのが一番だよ」とか
お腹の赤ちゃんに
「ママと頑張ってね」
とか、
なんか心が通うような、気持ちがそこにあるような言葉が欲しいなぁ、と
思ってしまうのは、きっと
「ない物ねだり」なのかもしれませんね。
緊急搬送の話は今回で終ります。
5日間入院し、私は回復し、
次男はちゃんと予定日近くまでお腹に居られましたし
実家で待っていてくれた長男もなんとかお泊りできていたようです。
後日会った姉が
「あの時、○〇君（パパ）
パン屋さんの袋を持っていたね…」
と苦笑しつつポツリと言っていました。(;^_^A
ただ、このパパの食に対する欲、というのか
執着は、その後も色々な場面で見られて私は溜息をつくことになるのでした。
読んでくださりありがとうございました。
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